症状別

15★帰宅時は朝の靴が辛い~むくみ


家に帰ったら、まずはソファーに横になって足を持ち上げてみたり、足を上げてぶらぶら体操をしてみたり。
特殊な靴下を買ってみたり。
自分で「マッサージ」をしてみたり、休憩中に「ストレッチ」をしてみたり。
仕事帰りにフットマッサージに通ってみたり。
ツボ押しグッズも家に何種類転がっていることか。

これ、心当たりはありませんか?
上に書いたのは、足が辛いS江さんがしていることですが、同じような方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
一時的に楽にはなったとしても、なかなか根本的に解決しないのが、むくみです。

成人女性の約半数が悩んでいます

足のむくみで悩んでおられる方は、存外に多いです。

レジ打ちや販売のお仕事などでずっと立ちっぱなしの方もそうですが、事務作業で一日中座りっぱなしの方の多くも困っているようです。
朝スッキリとしていた足も、仕事帰りに靴を履き替えたら、きつくて履きづらい、というのはよく聞きます。
夕方になるにつれて足がだるくなり、立ったり歩いたりするのが辛くなるのも同じです。
むくみは、足のだるさだけでなく、冷えや足の疲れにもつながっているので、仕事や日常生活にも影響が出ている方も多いです。

そしてむくみというのは、将来的に膝の痛みや股関節の痛みを引き起こし、痛くて歩くのが辛くなる可能性が高くなる、厄介な症状なのです。

その原因は立ちっぱなし?それとも座りっぱなし?

では、足のむくみは何故起こるのか、その原因をご説明します。
身体には、血液やリンパなど、体液が流れています。身体の80%は水分ですから、足にもたくさんの体液が流れています。その流れが足に滞り、たまってしまって、ふくらんで、むくみとなります。

ではどうして滞ってしまうのか。
血液を送り出すのは心臓の「ドクン」というポンプの作用です。
足は心臓より下にありますので心臓から出た血液は重力で足先まで落ちていきます。
そのあと血液は末端から心臓へ返っていくのですが、当然足は心臓よりも下の方にあるので、下から上に血液を上げるのは大変です。

足には心臓のようなポンプもありません。
その代わりをしているのが筋肉です。
筋肉には血液を循環させるという大事な機能があるのです。
特にむくみやすいふくらはぎの筋肉は、足首が動くことで収縮し、力を入れたり抜いたりすることでポンプのように、血液を下から上に上げてくれるのです。
ちなみにリンパ液は、リンパ管自体が収縮して液を送り出しますから、血液の流れとは別物です。

お分かりでしょうか?
このポンプ運動がしっかりできていないと、血液が滞ってしまい、むくみが出てしまうのです。
そう、足にむくみがある方のほとんどは、このポンプ運動が不足しています。

足首が硬い人や、立ちっぱなし、座りっぱなしなどの人は特にポンプ運動が不足しているために、むくみやすい状況になってしまうのです。

効果的なむくみ対処法は?

では、どうしたらいいのか?
ふくらはぎを使えばいいんだ、ということで、つま先立ちを繰り返すようなストレッチを考える方がいらっしゃるかと思います。
運動自体はとても良いことで、当然そういったことをやることは効果的です。でも考えなくてはいけないのは、その運動をむくみが取れるまでずっとしているわけにはいきませんよね。
なので、これもマッサージなどと同じで一種の対症法になってしまいます。

ではもっといい方法とは何でしょうか?

普通に歩くだけでいいのです。
ただし、「きちんと歩く」ことが大前提です。
ここで重要なのは、力をちゃんと抜けること、です。
ポンプ運動ですから、力をしっかり抜けないと、どれだけ力を入れても押し出しが弱くなります。
力が入る⇒力が抜ける⇒力が入る⇒力が抜けるを、繰り返さないといけないのです。
イメージしていただきたいのは膨らんだ風船です。
大きく膨らませれば膨らませるほど、空気を吹き出す力は強くなりますね。それと同じように、血液をしっかりと筋肉内に効果的にため込み、それを心臓に向かって押し出すことが重要なのです。

ここで問題なのが、ほとんどの方が、力を抜いていると思っていても、実は結構な力を入れてしまっているせいで、ポンプ機能がしっかりと果たせていないという点です。
立っている時、座っている時、歩いている時。
足の力を抜いているつもりだと思いますが、実は力が抜け切れていないのです。

その秘密は、立ち方にあるのです。
特に、前傾姿勢で立つ人は無意識で踏ん張ったような状態になっているために、どうしても足首に負担がかかってしまい、ふくらはぎの筋肉は常に緊張している状態にあります。
必要以上に力を入れた状態で立ったり歩いたりしているのです。
しかし、どうにか力を抜こうと思っても、長年の立ち方や歩き方の癖で、無意識に力が入ってしまう姿勢になってしまっていますから、そこから変えていく必要があります。
ちゃんと力が抜ける立ち方や歩き方が身につけば、一日中立ち仕事をしていてもむくまないし、ブーツやパンプスなどをはいてもむくみで悩むことはなくなります。
仕事終わりも足が軽く、足を高いところにあげて横になる必要もなく、フットマッサージに通う必要もありません。
むくみが辛くて仕事をやめようか悩んでいる?・・・大丈夫、今のお仕事をちゃんと続けていけます。

ちゃんとした身体の使い方はこうだ!
という、思いつきではなく、ちゃんと足の構造力学に則った使い方をすることが大事です。
世の中には、色々な情報がありますが、あなたに合うもの、合わないものがありますよね。
自己流ではなく、ちゃんと学んで、むくみを解決していってくださいね。
ご相談、お待ちしております。