症状別

14★足の指が曲がるのは靴が小さいから~ハンマートゥ


「足の指が曲がってしまっているの、これをまっすぐに治すことはできますか?」

フットサロンに駆け込んで悩みを打ち明けたM美さん、パンプスを脱いでみると親指以外の8本の足の指が、とても力を入れて踏ん張っている時のように、全て折れ曲がっています。
よくよく訊いてみれば、どうやら痛みもあるようですし、外反母趾やウオノメなどのトラブルも抱えているようです。

若いころからCAの仕事をしていたM美さんは、長時間ハイヒールを履いて立っていることが多く、いつも足に不快感を感じていたものの、改善することもできずにいたようです。
最近では仕事中でもハイヒールを履かなくてもよくなってきたので、指の曲がりが気になりだしてからは、自分のサイズよりも大きめで、しかも4Eや5Eといった幅広の靴を選んで履くようにしていました。
カッコ悪いし、ちょっと歩きにくいですが、足のためです。
それでも全然よくなりません。

・人差し指や中指が丸まって曲がってきた
・人差し指の甲側にタコやウオノメが出てきた
・指の付け根が痛い
・曲がった指が伸びない

など、M美さんと同じ症状が出ていませんか。
そんなあなたは、ハンマートゥの可能性があります。

ハンマートゥって何?

槌指、槌趾変形とも言われます。
何らかの要因で、指が曲がり続けたため、指を曲げる腱が固くなり指が伸びなくなって、ハンマーのように変形してしまうことを言います。

基本的には親指以外の指で起きやすいのですが、これは親指がほかの指よりも関節がひとつ少ないためで、親指に生じる足指の変形といえば外反母趾がほとんどです。
このような変形がみられても、手を使わずに足指を曲げ伸ばしができる場合や、手を使えば曲げ伸ばしはできるという状態であれば改善が期待できます。

しかし、足指を自分で動かせない、手を使っても動かせないという場合は、それぞれの状態に応じて適切な処置が必要となりますので、早めに整形外科などを受診されることをおすすめします。

靴が原因?大きめの靴を履いているから大丈夫?

原因として考えられることはいくつかあります。
ひとつは、関節リウマチ・痛風・糖尿病などの疾患によるものです。
特に関節リウマチは頻度が高いため一度検査したほうがよい場合があります。

ふたつめは、足に合わない靴を履いていることです。
サイズがきつい靴やハイヒールなどのつま先の窮屈な靴は言うまでもなく足に悪影響なのですが、気を付けてほしいのは、逆の場合です。

M美さんも同じ間違いをされているのですが、大きすぎる靴や横幅が広すぎる靴は大丈夫と思われがちです。
しかしこれは大きな間違いです。
大きな靴を履くと、靴の中で足が前滑りし、つま先が靴に打ち付けられるのでハンマートゥの原因になってしまいます。また、踵がパカパカすると、脱げないようにと、いつも力を入れて指を曲げている状態になるので、指が変形する原因になります。
これはとても多い勘違いです。注意してください。

最後のみっつめは、偏平足・浮指によるものです。
偏平足は歩行時にアーチがなくなってしまって十分に機能を果たさないため、足の指が地面を掴むようになり、足指が曲がってしまいます。浮指も同様に浮いてることで足が不安定になるので足の指が地面を掴むようになり、足指が曲がってしまいます。そのため外反母趾など足のトラブルの原因のひとつとして挙げられることが多いのです。

原因となる病気や靴の問題は、それを解決することが必要ですが、足の問題で発生するものはそもそも足の使い方に問題があるために起こっているのです。
どんな使い方でしょう?

それは過剰回内(オーバープロネーション)です。

正しい足の使い方でトラブルを改善しましょう


過剰回内とは踵の骨が外側に滑り足首が内側に倒れている状態のことです。この時多くの人がつま先より膝が内側に入っています。
回内という動き自体は、歩いている時には必要な動きで、この時に土踏まずが下がり、足の骨が開き、さらに浮指になることで衝撃を吸収するという役割があります。

しかし、過剰回内と言うのはこれがずっと続いている状態で、この傾いた足になると土踏まずが自然と下がり不安定になります、そのためにつま先に体重を乗せ前傾して安定させようとしまながら歩きます。

すると足の指に過剰に力がかかり外反母趾などを起こします。また、外反母趾の痛みから逃れるためや、常に指が浮いているので安定させるために人差し指から小指までを曲げて地面をつかみにいき安定させようとします。

つまり、間違った足の使い方によりハンマートゥになっていたのです。

では、正しく足を使うとは?
足を使うとは、立つこと、歩くことです。正しい足の使い方というのは、簡単に言うと「踵で立ち」「踵で歩く」ことです。

当ラボでは正しい足の使い方を身につけることを治療の中心に行っています。
ただ長年間違った足の使い方をしていると身体が歪んでしまい、正しく足が使えません。
さらに、長年の歪んだ骨格で、そもそも、正常な動きができない方も多くいらっしゃいます。

【症例1】M.Kさん(40歳代/外反母趾・内反小趾)今回ご紹介するのは、M.Kさん。40歳代の女性の方です。 通院期間は2019年6月から2019年12月までの、おおよそ6か月間になりま...

そのため、足を正常に機能させるために、足の各関節を調整し正常な動きを取れるようにし、さらに骨格と筋肉を調整し、正しく足を使えるよう体を整えてから正しい足の使い方を身に着けていきます。症状の軽い人や、飲み込みの早い人では何回かの指導で習得できる方もいます。

今は何も悩みがなくても、身体に不具合が出てからでは大変です。
この機会に一度当院でご確認してみてはいかがですか?
ご自分の歩き方を客観的に確認する良いチャンスです。専門資格を持ったスタッフが、状態を詳しくお伝えできますよ。

正常な立ち方、歩き方を手に入れることで、足の指の変形や靴擦れなどの痛みに悩むことがなくなるだけではなく、疲れにくくなります。
そして正しい歩き方をしている限りこれはずっと続き、一生悩まなくてもよくなります。
足にお悩みをお持ちの方はもちろん、今は何も悩みがなくても、身体に不具合が出てからでは修正は大変です。

自分はどうなのかしらと迷っている今こそ、大チャンスなのです。