症状別

10★ヨガがしたい!…のにうまくできない?

ある日のことです。

とある患者さんが
「ヨガに興味があって教室に通っていたんだけど、全然ポーズが取れなくって・・・結局やめちゃったわ」
とおっしゃったので、試しにその時に【できなかった】ポーズをとってもらいました。

それが写真の「戦士のポーズ」です。
ヨガをやったことない方もどこかで見たことのあるポーズですね!

その時もその患者さんは足がグラグラして静止できない状態でしたが、私が指摘したことを【たった2つ】改善しただけで、きちんとポーズが取れるようになりました。
でも、どこを改善してもらったか、分かりますか?

それは、膝と足の指の位置です

膝が内側に向いているものをまっすぐに。
つま先が内側に向いているものをまっすぐに。
たったそれだけです。
それだけで、やりたいと思っていた教室をやめてしまうほどに「できていなかった」ポーズが簡単にとれてしまったのです。
この事実に、患者さんはかなり驚いていました。

この方の場合は「立てない」という分かりやすくてはっきりとしたサインが出ていましたが、そうでなくても、立ち方や歩き方というのはスポーツ全般のパフォーマンスに大きく影響を及ぼしてしまうということは、実際スポーツをやっておられる方は何となく納得していただけるのではないでしょうか。

この原因を作り出しているのが、実は過剰回内(オーバープロネーション)なのです。
過剰回内とは踵の骨が外方向にずれ、足首の内側が内方向に倒れている状態をいいます。また過剰回内の状態の時は、つま先の向きよりも膝が内側に入っていることが多いです。
大事なのは、回内(プロネーション)という動き自体が悪いわけではなく、本来この動きは正常な歩行動作の際にもみられる必要な動きです。それが過剰(オーバー)になってしまって、さらに日常的に続いてしまうことが問題なのです。
実は、過剰回内の方は、足を肩幅に開いた状態で腰を落としていくと、膝がだんだんと内側に寄って行きます。
だから、いわゆる『戦士のポーズ』取った時に、バランスを崩してしまい、立てなかったのですね。

これは、正しい足の使い方を知って実践することで改善されます。足のトラブルに悩まれる方は、ご自分ではまっすぐ立っておられるつもりでも、写真のように足首が曲がり、真後ろから見たときに足の指が見える状態であることが多いです。要は、過剰回内の状態になっているということなのです。

当ラボでは正しい足の使い方を身につけることを治療の中心に行っています。
正しい足の使い方というのは、簡単に言うと「踵で立ち」「踵で歩く」ことなのです。

歩き方を変えるのは単純なようでいて難しい

何故かというと、呼吸と同じで、普段意識をせずにしている動作の内のひとつだからです。
だからこそ、人間の目でなく機械で測定をしたり、第三者に確認してもらったりというひと手間が必要になるのです。
ジムでのトレーニングの時、インストラクターさんについてもらって色々アドバイスをもらったりしませんか?
それと一緒です。
足の使い方がきちんと身につけば、そのあとは痛みに悩まされることもなくなり快適に過ごせるようになりますよ。

とはいえ、ひとつ注意があります。
現在ある程度の頻度で何らかのスポーツに(真面目に)取り組んでおられる方は、歩き方を変える途中の過程では、身体のバランスが取りにくくなって怪我をしてしまったり、歩行改善が思ったように進まないなどの弊害が現れることが多いです。
場合にもよりますが、歩行を改善して外反母趾を直したい!と考えておられる方は、スポーツを一時中断して臨まれるのが、全ての点で一番の近道になるかもしれないということをご理解ください。