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11★顎が痛い!…のはもしかすると足のせい?~顎関節症

H子さんは、憂鬱です。

何故かというと、歯が痛くて食事が苦痛だから。口も開きにくいし食べ物を噛むとズキッと鋭い痛みが走ります。

仕事もそこそこ忙しいし、家に帰れば小学生のこどもの世話があり、自分のことになんて構っていられない。歯医者さんが開いている時間なんかに時間が取れません。
そんなH子さんの楽しみは、夜1杯のビールとともに食べるおいしい食事なのですが、その楽しみなはずの時間が、苦行そのものになってしまいました。

最初のうちは食材を小さく切ったり、肉をミンチにしてみたり、なんてしてごまかしていたのですが、とうとうカレーを食べるスプーンまで口に入れられなくなってしまいました。
あまりに痛いので耐えきれなくなり、なけなしの有休をとって歯医者に行ってみると・・・

「虫歯はないですよ、歯周病もありませんね」
と言われてしまいました。
でも痛いものは痛いのです。
せっかく有休をとったのに、治療なしなんて納得できない!
何もないはずない、すごく痛いのだ、と主張すると、歯医者さんは困ったように「それはいわゆる歯痛なのではなくて、顎が痛いのではないですか?」と言いました。

言われてみれば、たしかに。
痛いのは奥歯ではなく、顎の関節です。それは、いわゆる顎関節症の症状だったのです。

◆ 口を大きく開くことができない
◆ 口を開けるときに、引っかかる感じがする
◆ 朝起きると、口の周りや顎が重い感じがする
◆ 長時間しゃべったり、食事すると顎が疲れたり、痛みが出る
◆ 口を開けたり、閉めたりする時耳の近くで音がする

このような症状がある場合は顎関節症かもしれません。

顎関節症に悩む方は非常に多く、全国で1000万人を超えていると言われています。
ということはその数、日本人の10人にひとりです。
そして、それは30代から50代の女性の割合が、圧倒的に多いのです。
その理由はまだはっきりしていないのですが、女性のほうが筋肉量が少ないので顎周りの筋肉が疲れやすのではないか、妊娠や出産が関係しているのではないかと考えられています。

顎こりという言葉をご存知ですか?

TVの健康番組でも取り上げられたことがあるようですが、言葉の通り、顎周りの筋肉のこり症状のことです。
これは、重度の顎関節症になる前段階の総称で、この顎こりを放っておくと関節円板(関節の間にあるクッションのようなもの)がずれたり、壊れたりする可能性が出てきてしまいます。

この顎こり、実は姿勢と関連性があります。
たとえば、猫背になってしまっている方の場合、いつも頭が前に傾いている状態で生活していることになります。
頭が前に傾くと、顎は受け口(下顎前突)になってしまいます。
受け口の状態が長く続くと、咬む時に使う筋肉に負担がかかり、顎こり状態になってしまい、耳の周りや頭が痛くなってきて、最悪の場合は口が開きにくくなってしまうのです。
顎関節症の治療方法として、一番メジャーなのはマウスピースでしょうか。
そのほかにも開口訓練や鍼治療なども効果があるようですが、根本の原因が悪い姿勢である場合、まずはそこをどうにかしなければ、せっかくよい治療を受けても、何度も同じ症状を繰り返してしまうことになります
だから、顎とはずいぶん離れてしまいますが、少し、足元に注目してみませんか?

正しい姿勢は足元から


頭が前に傾くとは、言いかえれば首が前に出ているということです。
いわゆるスマホ首、ストレートネックなどという状態です。
この姿勢が肩こりや背部痛、腰痛などの原因になっていることは最近ではよく知られています。
首が前に出た姿勢を直すには、首や肩、背中をほぐしたり、矯正すればよいのではと思われるかもしれませんが、そこはそれほど単純ではありません。

人にはバランスを取るという機能が生まれつき備わっています。

首が前に出て崩れてしまった体のバランスを、腰を反ることで取ろうとします。
首を前に出し腰を反らすと足元では重心を前に取りつま先側で立ってバランスを取ります。
逆に偏平足や浮指になると足は安定感を失い前傾姿勢となります。すると、バランスをとるために腰を反って立ち、さらにバランスを取ろうと首を前に出してきます。
これを、代償や運動連鎖と言います。
つまり、どこかのバランスを崩すとその影響は、上から下まで及ぶということです。
結局どこからバランスを崩そうと足元が不安定になっていきます。
なので、これらの崩れた姿勢をまっすぐにしようと思うと、どこから直していくのが良いか?
上から直すより下からまっすぐにした方が安定しやすく直しやすのです。
積み木やだるま落としを考えてください。下の積み木がずれていると、上をどれほどきれいに積んでも崩れやすくなってしまいますね。
つまり、正しい姿勢を取るにはまず足元の不安定さから正していく必要があるということです。
姿勢については、こちら「9★足の指、地面に着いていますか?~浮指」にも記述しています。併せてお読みください。

正しく歩くと姿勢は改善する

悪い姿勢で立っているということは、その姿勢のままで歩くということでもあります。

前傾姿勢で立っていると、歩くときも前傾姿勢で歩いてしまします。つまり、歩いている時の重心は足の前側にあります。この姿勢のまま歩き出すと、足は身体より遅れて出ていくことになるために、前に出しにくく、重く感じます。
更に身体が足にかぶさるような歩き方になるため、歩くたびに足に過度の負担をかけていきます。

この過度の負担によって足の骨の結合が弱くなり、横幅が広がってさらに不安定な状態になります。
この広がって不安定な状態を放置しておくと、その不安定さを解消しようと身体が代償を起こして、さらに姿勢が悪くなっていってしまいます。

この足元の安定感を取り戻すには、正しく立って、正しく歩くことが必要です。
正しく立てるので正しく歩け、正しく歩くから正しい姿勢が保てるようになります。
そして、正しい歩き方を身につけることで、ゆるんでいた骨の結合が締ると、足は丈夫になり、安定感を取り戻し、しっかりと踏ん張りがきき、転倒しにくい足になるので、歩きやすくなり姿勢の改善につながっていきます。

当院は、外反母趾をはじめとした足のトラブルを専門にしております。
歩行や姿勢は当院の指導で改善が見込めますので、歩行が改善されるにつれて顎の辛さも徐々に変化してくるでしょう。
そして顎の痛さがなくなり、口を大きく開けることができたら。
お寿司を口にほおばることができます。
ステーキも、小さく小さく切らなくても噛めるようになりますし、リンゴだってすりおろしたりしなくても大丈夫です。
お友達とのおしゃべりで大きな口を開けて笑っても、「あっ…痛」なんて、嫌な気分になりません。
とはいえ、今まさに顎が痛い、口が開かないのは辛いことですね。
痛みはひとのやる気や気力を削いでしまいます
正しく立ち正しく歩く、そのことを前向きに捉えるためにも、まず、その顎の痛さや辛さ、口が開かない辛さを改善する必要があります。そのためには専門院での治療をおすすめします。

当院では、顎症状の出ている方には、下顎治療を専門とされている治療院をご紹介しております。
マンディラック治療院の伊原先生は鍼灸師であると同時に現役の歯科医師としてご活躍されておられる方です。
こちらの治療院でも、顎症状の出ておられる方には姿勢検査をされており、立ち方がよくない方には当院をご紹介いただいています。

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マンディラック治療院
伊原 昌宏  先生
(歯科医師・歯学博士・はりきゅう師・柔整師)
〒235-0023 神奈川県横浜市磯子区森2-19-1ビックヴァン磯子ステイツ101
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