症状別

8★小指が内側に曲がる~内反小趾

温泉旅行に行った時に友達のひとりが、J子さんの素足を見て、小指が曲がってるから内反小趾じゃない?と言いました。
内反小趾、聞いたことがない言葉です。

★ 足の小指の付け根にタコができている
★ 足の小指が親指側に曲がっている
★ 足の小指の付け根が出っ張っている
★ 足の小指が痛い

そう思って友達の足と見比べてみれば、小指が薬指のほうに倒れて重なりそうになっています。それに、今までは気にしたことなかったけれど、親指も少し傾いているような気が?

J子さんは食べ歩きが趣味で、週に数回はおしゃれをして街のカフェやレストランに行って、おいしかったものの写真をSNSにアップしていて、お友達にも好評です。
もちろんおしゃれをする時は足元も抜かりがありません。
ハイヒールは履くけれど、もともと甲高のJ子さん、足が痛くなりにくいように幅広でオブリークトゥのものを選ぶようにしています。とはいっても、やっぱり指先は痛くなってしまうので、おしゃれをする時の足の痛みは仕方がないとあきらめています

結構気を付けているつもりなのに、どうしてこうなっちゃうのかしら?
指が曲がるのって、親指が曲がる外反母趾だけじゃないの?
まあでも、ちょっと靴擦れしやすいけど、たいした話じゃないわよね?

足の指のトラブル、といえば外反母趾がとても有名です。
内反小趾は、足の小指が親指側に向くように捻じれ、小指自体が親指側に曲がってしまった状態です。
この場合外反母趾同様に小指の地蹴根が出っ張り、小指の付け根の横や底に硬いタコができることが多く、靴との接触により痛みが出ることがあります。
こうなる原因は外反母趾と同じことなので、内反小趾がある場合はほとんどの場合で外反母趾が認められます

【症例3】R.Sさん(30歳代/外反母趾の痛み)今回ご紹介するのは、R.Sさん。30歳代の女性の方です。 通院期間はおおよそ5か月間になります。 Sさんの主訴は 右足の昔から外反...

爪先トラブルの原因はハイヒール?

つま先に痛みが出るため、外反母趾同様に「ハイヒールやパンプスを履くことが原因」と思われがちですが、それは2次的原因に過ぎません。

外反母趾でも解説しましたが、その原因は過剰回内(オーバープロネーション)です。オーバープロネーションによって、踵が外側に滑り、足が内へ向き、土踏まずが低くなり、足の甲から先が広がって開帳足となります。
いわば、力に対して抵抗することができない弱い足になってしまうのです。
弱い状態になってしまっている足が、靴の形状からはみ出していくことでつぶれていき、症状が出るのです。もし今痛みがなく、せいぜい見た目で少し曲がっていてタコができているくらい・・・と思っていても要注意です。
この時、小指の付け根は靴の壁に強く押し付けられて、外反母趾以上にストレスを感じることが多いといわれています。足の形状の崩れは、周囲に大きな影響を及ぼし、関節がゆがみ、筋や腱が引っ張られ、炎症を起こします。痛みが出ると無意識にそれをかばってしまうため、歪みはどんどん悪化し、正しい位置から大きくずれてさらに炎症を起こしていくという悪循環に陥るのです。こうなってしまうと見た目の問題だけでなく、歩くことが苦痛になってしまいます。

普通のケガと違い、時間が経てば自然と良くなるというものではありません。むしろ放っておいたために次々といろいろなトラブルが出て、もう手術するしか方法がない!というところまで行ってしまうのです。

外反母趾と内反小趾の違いは何なのでしょう

痛む指が違うだけ??
実は外反母趾と内反小趾では痛みの特徴が違います。
外反母趾は親指の付け根が靴に当たって痛いだけではなく、歩行時に親指の付け根の関節やその周囲の筋・腱の痛みで悩んでいる人も多くいます。対して内反小趾の場合は関節の痛みよりも、靴との摩擦や圧迫による靴擦れのような痛みを覚えることが多いといわれています。

手術なんかしたくない!じゃあどうすればいいの?

内反小趾の痛みは歩行にも影響を与えてしまい、さらに症状を悪化させていきます。
つまり足の使いかたを変えて、オーバープロネーションを改善することが重要になります。
正しい立ち方・歩き方を習得し、踵の骨格を安定させる。
つま先の広がりや向きをコントロールすることで、つま先の負担が減り症状の改善が期待できます。

でも、正しい足の使い方って言われても・・・専門の先生に任せて矯正してもらえばいいんじゃ?

J子さんと同じように「大したことないから大丈夫ね」と思っていらっしゃる方はたくさんいらっしゃると思いますし、外反母趾や内反小趾矯正の整体の広告なども、よく見ますね。
でもよく考えてみてください。
有名なゴットハンドの先生に施術してもらい、足の骨が正しい位置に戻ったのだとしても、そのあとで歪んだ立ち方や歩き方をしていては、早晩、またずれてしまうのではないでしょうか。

足を使うとは、立つこと、歩くことです。正しい足の使い方というのは、簡単に言うと「踵で立ち」「踵で歩く」ことです。
当ラボでは正しい足の使い方を身につけることを治療の中心に行っています。
ただ長年間違った足の使い方をしていると体が歪んでしまい、正しく足が使えません。
さらに、長年の歪んだ骨格でそもそも、正常な動きができない方も多くいらっしゃいます。
そのため、足を正常に機能させるために、足の各関節を調整し正常な動きを取れるようにし、さらに骨格と筋肉を調整し、正しく足を使えるよう体を整えてから正しい足の使い方を身に着けていきます。
症状の軽い人や、飲み込みの早い人では何回かの指導で習得取得できる方もいます。

正常な立ち方、歩き方を手に入れることで、小指の変形や痛みに悩むことがなくなるだけではなく、疲れにくくなります。
そして正しい歩き方をしている限りこれはずっと続き、一生悩まなくてもよくなります。
ですから、少しでも早く正しい歩き方を身に着けてください!