症状別

7★足の裏のアーチって必要?~偏平足

この前TVで健康番組を見ていたF恵さんは、TVに映ったタレントさんと比べて、自分の足の裏がまっすぐ平らなことに気付きました。
もしやこれは偏平足といわれるもの?
F恵さんは少しぽっちゃり体型。

手足がぽちゃぽちゃしてたら、足の裏だってぽっちゃりしててもおかしくないわよね!

別に痛くもなんともないし、足の裏なんて他人に見せるわけでもないのだから大した話じゃない、と軽く考えています。
でもちょっと待ってください、F恵さん。こんな症状、気になっていませんか?

◆ 長時間立っている時やちょっと歩くだけで足が疲れやすく、足の裏が痛くなる
◆ べた足歩き、すり足歩き、姿勢が悪くなる
◆ 長時間歩いたり、運動すると筋肉に痛みが出る
慢性的に足裏の疲労感を感じる
◆ 足の裏にタコやウオノメができやすい
◆ 後ろから見ると足首が内側に曲がっている
◆ 足の親指が外に曲がり、外反母趾気味になっている

こんな症状は偏平足が原因になっていることが多いのです。
偏平足はさまざまな足の疾患に関与するため、実はあなたの健康に大きな影響を与えています。

「たいした話じゃない」と思っているF恵さん、「痛みがないから」気付いていませんが足首が内側に曲がっています。元々運動が嫌いなこともありますが、たまにショッピングモールに行ったりしていつもより多めに歩くと足の裏が痛くなります。これは典型的な偏平足の人の症状です。足の裏のアーチが崩れて偏平足になると足にかかる衝撃を和らげることができないので、足が疲れやすくなります。そして上の方へ衝撃がダイレクトに伝わって膝や腰へも負担が。F恵さんの原因不明の膝痛や腰痛は、運動不足や体重のせいだけではなく、この、偏平足かもしれませんよ?

そのため、足にお悩みにある方は、これを治すことが大変重要なことになるのです。

土踏まずに大事な役割があると知っていますか?

足の裏には、土踏まずという、立った時に地面に触れないくぼんだ部分があります。
この土踏まずを作る骨の形がアーチ状になっています。
立っていると足の裏が地面に着いている状態が正しい位置になります。
本来、人間はだれもが8歳くらいまで偏平足の状態ですが、成長するにつれて土踏まずが作られていきます。
このアーチが何らかの理由で崩れている状態を偏平足と呼ぶのです。

土踏まずは、実は片足に3箇所あります。足の内側と外側、足の前方に横向きにアーチをつくっています。このアーチが前後・左右・水平回転の姿勢制御を容易にしています。また、揺れをなくし安定させるため、足元は常に安定した状態を保つことが出来ます。更に、この形状は足にかかる衝撃を吸収するという重要な役割も担っています。人の身体で、衝撃や振動を吸収するために一番最初に働くのが、土踏まずです。

ですから、土踏まずがなくなった状態で歩いたり走ったりすると、地面の衝撃を吸収できずに膝や股関節、腰に負担がかかることになってしまうのです。
長い間膝や腰の痛い人はまず影響を受けていると言っていいでしょう。
偏平足は疲れやすく、転びやすく、そして、痛めやすい体にしてしまいます。

F恵さんのように、今そういった症状が出ていなくても、いずれ、何かをきっかけにして膝や股関節に痛みが出てしまうかもしれません。

足の裏が平らになる原因は?


生まれつきの骨の異常で起きる先天性偏平足や幼児期の発達障害で起きる場合もあります。
また、骨折などで骨格が正常な状態でなくなった場合などの原因も考えられますが、ほとんどの場合がちゃんと形成された土踏まずが何らかの原因でなくなってしまう後天性偏平足です。

偏平足になってしまう原因としては、靴を履いて歩くので足の筋肉が弱くなったから、足の指を使わない歩き方や運動不足によるアーチの筋力の低下、肥満による体重の増加により負荷がかかりすぎてアーチが下がるから、窮屈な靴やハイヒールなどで圧迫されたり体重が均等にかからないから・・・など、要は使わないから筋力が低下したり靴や体重増加などの物理的圧迫などが挙げられていることが多いです。

確かにこれらも偏平足を誘発する大きな一因ではあるでしょうが、偏平足を作り出す直接的原因は足の過剰回内という状態が発生していることなのです。

過剰回内(オーバープロネーション)とは踵が外に滑り、足が内側に倒れた状態を言いますが、この時多くの方が膝がつま先より内側に捻じれています。
ちょっとピンとこない方は、ご自分の足の裏を内側(親指側)に向かって強くねじってみてください。足の裏がねじる前より平らになっていませんか?こうして足にねじれの力が加わることで、足の裏は平らになり、偏平足の状態をとるのです。

注意してほしいのは、回内という足の状態が悪いわけではなく、これは本来歩く時に必要なものです。着地する際、土踏まずが下がり指の骨は開き、足を構成している骨がバラけて、衝撃を吸収するのです。その後、膝が外側に捻じれて元に戻り、土踏まずが上がり、指の骨は閉まってきて、足を構成する骨はガッチリと組み強くしっかりと立ち、歩く状態へと変化します。

つまり、人の足は、衝撃吸収するときだけ偏平足になるのです。
偏平足は、筋力低下でも運動不足でも、体重が増えたからでもなく、足のシステムなのです。
ただ、過剰回内はその「衝撃吸収用の足の状態」がずっと続いている状態だから問題が生じてしまうのです。
では、どうしてそうなってしまうのかというと、偏平足になってしまう足の使い方をしているからです。
足の使い方というと、立つ、歩くことです。正しい歩き方をすれば偏平足は勝手に治ってしまいます。

でも、正しい足の使い方って言われても・・・今の歩き方が正しくないってこと?でも正しい・間違っているなんて考えたこともない。

足を使うとは、立つこと、歩くことです。正しい足の使い方というのは、簡単に言うと「踵で立ち」「踵で歩く」ことです。

F恵さんと同じお悩みをお持ちの方!
膝や腰の痛みは、体のバランスが崩れたことへの注意報です。時間経って骨が変形したり擦り減ったりしてしまうと、もう治す方法がなくなってしまいます。

当ラボでは正しい足の使い方を身につけることを治療の中心に行っています。
ただ、長年間違った足の使い方をしていると体が歪んでしまい、正しく足が使えません。
さらに、長年の歪んだ骨格でそもそも、正常な動きができない方も多くおられます。
そのため、足を正常に機能させるための下準備が必要になります。
足の各関節を調整し正常な動きを取れるようにし、さらに骨格と筋肉を調整し、正しく足を使えるよう体を整えてから正しい足の使い方を身に着けていきます。
正しい足の使い方をすると、その時点で土踏まずができることを実感していただけます。飲み込みの早い人では何回かの指導で習得できる方もいます。

今は何も悩みがなくても、体に不具合が出てからでは大変です。
ご自分の足に土踏まずが十分に発達しているかどうか、偏平足状態かどうか、確認したことはありますか?

この機会に一度当院でご確認してみてはいかがですか?

ご自分ではなかなかわかりづらいことです。専門資格を持ったスタッフが、状態を詳しくお伝えできますよ。
正常な立ち方、歩き方を手に入れることで、偏平足になることを防ぎ、そのことで生じる様々な弊害や症状で悩むことがなくなるだけではなく、疲れにくくなります。
そして正しい歩き方をしている限りこれはずっと続き、一生悩まなくてもよくなります。

正しい歩き方の知識、あなたの健康のためにも、手に入れる価値があるのではないでしょうか?