お風呂上りに爪のお手入れをしていたK美さん。足の爪を切ろうと足を握ったところ、ふと指に違和感を覚えました。
体が硬いから足の裏なんてそうそう見てみる機会はないけれど、どうにかこうにか覗いてみると・・・ナニコレ!
白っぽく二重丸を描いたみたいなものが足の裏にくっついています。
普通にしていても別に痛くもなんともありませんが、指でぎゅっと押し込むと、つきん、と痛みが走ります。
慌ててネットで調べてみると、どうやらこれはタコとかウオノメと言われるものみたい。
学生時代ソフトボールをしていたK美さんは、よく手のひらにタコを作っていたので、「なーんだ、タコかぁ」とほっとしましたが、それもつかの間。
ネットを見ていくと、ウオノメの場合だとひどくなってくると痛みが出てきて、最悪メスで切ったりレーザー手術したりなんて言葉がちらほら。しかも傷が治るのに1か月・・・しかもせっかく手術をしても再発率高し。
「ちょっと待って!手にできるタコと全然違うじゃない!」
今まで気にしていなかった分、自分の足の裏にできてしまったのが、タコかウオノメか、気になって仕方がないK美さん。通販サイトをチェックしてみたら、ウオノメ用のサポーターや塗り薬なんかがいっぱいヒットしますが、どうも全部眉唾物に思えて、どれを選択したらいいか全然わかりません。
というか、タコとウオノメの違いって、そもそもなあに?
タコやウオノメは足からのSOSです!
ウオノメとタコができるメカニズムは同じですが、局所への刺激の受け方によって変わります。
タコは多くの場合で痛みを伴わず、角質が外側に向かって盛り上がるのが特徴です。タコは大きく分けると2種類あり、下から突き上げられる刺激でできるものは縁がはっきりして分厚くなり、前後左右にこすれてできるものは縁がハッキリせず薄く幅が広くなります。
一方、ウオノメは魚や鳥の眼のような芯があり、魚の目、鶏目(ケイガン)と呼ばれます。
一般に直径が5㎜から7㎜ほどので硬く、歩行時などに圧迫が加わると痛みを伴ったりします。一定の場所に繰り返し圧迫される刺激が加わると角質が厚く芯のようになり、皮膚のより深いところに向かいクサビのように食い込み、皮膚の下の組織まで届いてしまって神経を圧迫するため、刺すような痛みを感じます。
タコやウオノメは、その発症部位によって普段どんな歩き方をしているのかがわかります。
タコやウオノメは、足が無理や我慢をしているサインです。
なぜ発症するのかというと、繰り返される刺激や摩擦に対して足の皮膚が自己防衛をして、角質が固くなるからです。なので、できてしまった場所や種類によって足にどのような負担がかかっているかわかります。
例えば、親指の付け根にタコがあれば外反母趾。開帳足(足の付け根が広がっている)や中足骨骨頭痛症などの場合は、足の人差し指と中指の付け根にタコができることが多いです。
タコやウオノメに悩まされる原因は?
サイズの合わない靴を履いている、ドレスシューズなどのつま先の細い靴などを履いているから、とよく言われます。足と靴が不自然に接触する部分で、圧迫や摩擦が繰り返されてタコやウオノメができてしまいます。ほかにも、前項で書いたように、開帳足や中足骨骨頭痛症であったり、冷え性(刺激を強く感じがち)や糖尿病(神経が鈍くなるので、窮屈な靴を履いても気付きにくい)の方も要注意です。が、それだけではありません。歩き方でもできやすくなります。前のめりで歩く、内側に重心がある。足を引きずるように歩く、蹴りだしすぎ、捻じるように歩くなどです。
つまり、タコやウオノメができてしまうというのは、必要以上に蹴って歩いている・ねじって歩いているということなのです。
これは膝や股関節の痛みにつながります。
もし、ウオノメがあってすでに膝や股関節が痛い方は、そのことが原因である可能性が高いです。
まだ痛みがない方も、時間の問題です。ある時「理由がわからない」膝や股関節の痛みを覚えるようになってしまう可能性がとても高いです。
そして、この歩き方になってしまう原因こそ、過剰回内(オーバープロネーション)です。
過剰回内とは踵が外側に滑り、足が内側に倒れてしまってる状態がずっと続いていることです。この時多くの人がつま先より膝が内側に入り股関節が内に捻じれています。
そうなると靴の中で必要以上につま先が広がったり、かかとがうまく収まらないため、余計な動きが出て、足の裏の様々なところにタコが発生します。また、浮指や偏平足を招き、足の裏の本来接地しない場所が地面に着くことでタコやウオノメができてしまいます。
つまり、タコやウオノメは過剰回内の影響を受けてできてしまうのです。
根本的に予防・改善するためには、変えなくてはいけません!
K美さんは圧迫により痛みを感じているため、足の裏にできているのはウオノメの可能性があります。
早めに対処しないとウオノメはどんどん「成長」していきます。
患部への薬の使用やフットケアなどで角質を除去したりすれば、一時的に症状の緩和ができます。
しかし、特にウオノメはあまりひどい場合には、自分で削ったりなどせずに皮膚科で適切な処置をすることをお勧めします。ウオノメの芯は、場合によってはかなり奥まで入り込むので、カミソリなどでえぐっても芯がきれいに取れないばかりか、血管や神経を傷つけたり、ばい菌が入って化膿したりしてしまうと、後が大変です。
それ以外の改善方法は、足に合った靴を履くことです。
サイズが合っていなかったり靴底が柔らかい不安定な靴を履いていると、足の形状が崩れやすく局所への圧迫や摩擦が起きやすくなるため、自分の足に合ったサイズで、靴底が柔らか過ぎず、かかとを安定させる構造のものを選ぶようにしましょう。柔らかなインソールなどはあたりがいいため足が痛い人が選びがちですが、足元を余計に不安定にしてしまうのでお勧めできません。
しかし、タコやウオノメのほとんどは足の働きが適正に機能していないことに問題があるのです。
靴を変えても薬を使ってみても手術をしても、負担のかかる状況にある限り、やっぱり再発をしてしまいます。根本的に解決するためには、同時に歩き方を改善しないといけません。そして、オーバープロネーションを改善することが必要なのです。
その結果。
いつの間にか足の裏のタコ・魚の目が消えた、当たって痛くて硬くなっていたところが気にならなくなった、となるのです。
K美さんと同じ疑問をお持ちの方。
タコとウオノメは似て非なるものですが、できてしまう理由も改善する方法も同じです。
タコやウオノメができてしまう方は、かかと周りの骨格の崩れ(オーバープロネーション)が原因で靴の中でつま先が必要以上に広がるなど、より靴との圧迫や摩擦が起こりやすい状態になっている可能性が高いのです。正しい足の使い方を学ぶことで、痛みを発生させるタコやウオノメができなくなりますよ。
でも、正しい足の使い方って言われても・・・ピンとこない。
足を使うとは、立つこと、歩くことです。正しい足の使い方というのは、簡単に言うと「踵で立ち」「踵で歩く」ことです。
当ラボでは正しい足の使い方を身につけることを治療の中心に行っています。
ただ長年間違った足の使い方をしていると体が歪んでしまい、正しく足が使えません。
さらに、長年の歪んだ骨格でそもそも、正常な動きができない方も多くいらっしゃいます。そのため、足を正常に機能させるために、足の各関節を調整し正常な動きを取れるようにし、さらに骨格と筋肉を調整し、正しく足を使えるよう体を整えてから正しい足の使い方を身に着けていきます。飲み込みの早い人では何回かの指導で習得取得できる方もいます。
足に合った靴にオーバープロネーションを改善する立ち方、歩き方をすることで、足の骨格の崩れが改善されます。
これにより、足が本来の動きを取り戻し、圧迫や摩擦が軽減され、痛みはもちろんのことタコやウオノメの症状自体が無くなることが期待できます。
そして正しい歩き方をしている限りこれはずっと続き、一生悩まなくてもよくなります。その方法、気になりませんか?
今まで歩き方というものに問題意識を持ったことがないかもしれませんが、足の裏にタコやウオノメが気になった今が、歩き方を変えることにより、より健康的で楽な体になれる、チャンスですよ!