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足の健康によい『靴の選び方』

靴が足に与える影響は大きく、足の崩れに直接的にかかわってきます。
更に、その足の崩れは、肩こりや腰痛などの健康に大きく影響していきます。
そのため靴は正しく選ぶことがとても重要です。

ここでは、「体のための良い靴の選び方」として、いくつかのポイントをご説明します。

ブランドやシリーズによって靴のかたちは様々です。
靴のサイズは、実寸+0.5〜1cm程を目安にお選びください。サイズ(長さ)で選んでも、横幅や甲の高さが合わないと感じたら、単純サイズアップしてしまうのではなく、足にあった形を選び直すようにしましょう。足に体重をかけると横に広がりやすい”開帳足”といわれる方、いわゆる ”ばんびろ” といわれる方ほど指に靴が当たるのを嫌って大き目な靴を選んでいる方が多い傾向ですが、それは余計に足のトラブルを招く元になります。

また、最近は、靴底が緩やかにカーブした船底のようになって歩きやすくなっているという靴を見かけますが、こちらはあまりお勧めできません。確かに歩きやすくはなるのですが、足本来の機能を損なうので、指先が動かず、ふくらはぎがむくみやすくなってしまうのです。

ハイヒールや厚底靴など、重心が土踏まずやつま先に来るような靴も、同様に、健康上は避けたほうがよいでしょう。

身体の重心ラインがかかとに重なるのが「正しい立ち位置」のため、立つにも歩くにも「重心はかかとである」ことが前提となるからです。かかとに注目して靴を選んでみましょう!

 

よい靴の選び方

1) ヒールカウンターがしっかりして、じょうぶ

ヒールカウンターとは、かかとを包んで足を安定させる重要な役割をする部分です。ここが不安定だと、足が崩れる原因になります。
・かかとを掴んで型崩れしない硬さと強さがある:柔らかいものは足の安定性を確保できません
・かかとをしっかりとつつんでいる
・靴を後ろから見て靴底に対して垂直である:傾きがあったり潰れていたり、曲がっているもの、浅いものは選ばないでください

2) かかとの下のソール(靴底)がちゃんと接地できる

「かかと」でしっかり重心を支えられることが重要になります。
・地面からソールが浮いていない
・つま先に対してソールが厚すぎない
・磨耗し過ぎている物や、船底の様に前後が極端にせり上がっている作りは禁物

3) 適正なフレックスポイントで曲がる靴を選ぶ

つま先で地面を蹴ることはよいことではありませんが、かかとが地面から離れる際、足の指の付け根の下部分で靴が曲がることも足の機能を発揮するには重要です。
・ソールを前後で折り曲げたとき、指の付け根付近で折れ曲がる
・適度な硬さがある:ここが曲がらず硬いものは、足の機能を妨げ問題ですが、逆にどこででも曲がってしまうような柔らかいものも安定性の面で問題です

4) 捻じれ剛性のある靴を選ぶ

足は前と後ろが巧みにねじれることで、機能を発揮するようになっています。
しかし、ねじれすぎると足を痛める原因になってしまうのです。
・靴をねじった時に、90°以上捻じれない強さ(剛性)がある:よくねじれて、インソールまで柔らかい靴は、足が非常に不安定になりますし、耐久性にも問題があることが多いです

5) 歩行の癖を修正している途中では、スリッパは履かないほうがよい

どうしても履かなければならない場合は、なるべく足裏の部分が硬めな物を選び、変な形に凹んだり擦り減ってきたら、こまめに買い換えることをお薦めします。

靴ひもの結び方

靴を履く際は、
①足を入れた後、つま先を上に向け、かかとをトントンと床に打ち付ける
②かかとがしっかり収まったら、紐をつま先側から足首側へ、適度に締め上げる
※キツキツに締める必要はありませんが、靴の中でかかとがぐらついたり、指が遊び過ぎる状態は好ましくありません

という方法で履きましょう。靴ひもの結び方はいくつかあり、結び方を変えるだけで、足に対しての効果が変わります。
いくつか例を挙げてみますので参考にしてください。

アンダーラップ

甲の高い方に適した結び方です。
最初にひもを通す時、靴の中から外に出す通し方です。この締め方は時間とともに徐々に締まり具合が均等化し、自然と足の形状の変化に柔軟に対応する締め方です。
長距離ランナーにもオススメです。

オーバーラップ

甲の低い方に適した結び方です。
最も一般的な結び方で、最初にひもを通す時、靴の外から中に入れる通し方です。緩みにくく、一度合わせた締め具合が長持ちする締め方です。

途中固結び

幅の広い足の方に適した結び方です。
足の幅が広い方は、靴選びだけではなく、ひもの締め方でも工夫ができます。足の幅が広い方は、靴がきついと感じて全体を緩めてしまいがちですが、足の安定性に問題が出ます。外反母趾や足底筋膜炎等の方はこれが響きます。この場合は靴の前のほうは緩く締め、途中真ん中あたりで固結びをし、後半はしっかりと締めます。こうすると全体の安定性と前のほうのゆとりがどちらとも両立することができます。

いかがですか?
簡単にしか説明できませんでしたが、新しい靴を買うときの一つの目安としてくださるといいと思います。
院に来られた際に靴ひもを結んでほしいという要望にもお応えします。